医療法人社団 桐藤会 佐藤内科診療所

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代表的な消化管疾患(上部)と内視鏡検査のご案内

代表的な消化管疾患(上部)と内視鏡検査のご案内

 

当院では、消化器疾患について専門的な診断と治療を行っております。ここでは、よく見られる代表的な上部消化管疾患と、それらの早期発見に役立つ内視鏡検査についてご紹介いたします。

 

①逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。近年、食生活の欧米化やストレス、肥満の増加などにより、患者数が増加しています。

 

胃酸は非常に強い酸性をしているため、食道に逆流すると粘膜がただれてしまい、様々な不快な症状を引き起こします。

 

主な症状

• 胸やけ(みぞおちや胸のあたりが熱くなる感じ)
• 呑酸(すっぱい胃酸が口の中まで上がってくる)
• のどの違和感や咳、声のかすれ
• 食後の膨満感や胃もたれ
• 就寝中や朝方に症状が出る

 

これらの症状がある方は、逆流性食道炎の可能性があります。逆流性食道炎を放置すると、バレット食道という状態に進行し、食道がんのリスクが高まることが知られています。

 

②バレット食道

**バレット食道(Barrett’s Esophagus)は、食道の粘膜が胃の粘膜のように変化してしまう状態です。主に長期間続く胃食道逆流症(GERD)**によって、食道が胃酸に繰り返しさらされることで発生します。
本来、食道は扁平上皮という粘膜で覆われていますが、バレット食道になるとその一部が円柱上皮という胃に似た粘膜に置き換わってしまいます。これが進行すると、食道腺癌のリスクが高まります。

 

バレット食道の原因とリスク因子

• 長期間の逆流性食道炎(GERD)
• 肥満
• 喫煙
• 男性・中高年
• 欧米型の食生活(高脂肪・高カロリー)

 

バレット食道は、前癌病変として知られており、早期の段階で見つけることが重要です。バレット食道は自覚症状が乏しい場合も多く、検査で偶然見つかるケースも少なくありません。上記に当てはまる方は、バレット食道のリスクが高く、定期的な内視鏡検査が推奨されます。

 

③食道癌

症状:初期にはほとんど自覚症状がないため、進行してから発見されることが多いのが特徴です。しかし、早期に発見できれば内視鏡での治療も可能な病気です。

 

食道がんの種類
扁平上皮がん:日本で最も多く、喫煙・飲酒が主なリスク因子です。
腺がん:欧米で多いタイプで、胃食道逆流症(GERD)との関連があります。

 

こんな症状は要注意!

• 食事がしみる・つかえる
• のどの違和感・胸のつかえ感
• 体重減少や食欲低下
• 声がかすれる(反回神経の浸潤)

 

これらの症状がある方は、進行がんの可能性もあるため、早めの検査が重要です。
また、飲酒時に顔が赤くなる、喫煙歴がある、近親者に癌の既往歴がある方はリスクが高いと言われています。

 

④機能性ディスペプシア(FD)

「なんとなく胃が重い」「食後にお腹が張る」「みぞおちが痛む」――このような症状が続いているのに、検査をしても明確な異常が見つからない。そんな状態を 機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia) といいます。
機能性ディスペプシアは、日本人の約1割が抱えているといわれる非常に身近な病気で、特に働き盛りの方やストレスを感じやすい方に多く見られます。

 

主な症状

• 食後の胃もたれ
• 早期膨満感(少ししか食べていないのにお腹がいっぱいになる)
• みぞおちの痛み・灼熱感
• 吐き気や食欲不振

 

原因は?

検査では異常が見つからないため、「気のせい」と思われがちですが、実際には胃や腸の運動異常、知覚過敏、ストレスや自律神経の乱れなどが関係していると考えられています。
機能性ディスペプシアの診断は、他の胃の病気(例えば胃潰瘍や胃がんなど)を否定することが大前提です。そのため、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)による精密検査が必要になります。

 

⑤胃・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の粘膜が、胃酸や消化酵素の作用でただれ、深くえぐれた状態(潰瘍)になる病気です。

主な原因

• ピロリ菌感染(日本人の約半数が感染経験あり)
• 鎮痛薬(NSAIDs)の長期服用
• 過度なストレスや喫煙・飲酒
• 不規則な食生活

 

よくある症状

• 空腹時や夜間にみぞおちが痛む
• 胃もたれや膨満感
• 吐き気・黒色便(出血のサイン)
放置すると、出血や穿孔(胃に穴が開く)といった命に関わる合併症を引き起こすこともあります。

 

⑥胃癌

胃癌は、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍で、日本人に多く見られるがんの一つです。
特に初期の胃癌は自覚症状がほとんどありませんが、早期に発見すれば内視鏡で切除できるケースも多く、治癒が可能です。

胃がんの主なリスク要因

• ピロリ菌感染
• 潰瘍の既往歴
• 塩分の高い食事
• 喫煙・飲酒
• 胃がんの家族歴

 

症状が出ている場合は要注意

• 食欲低下・体重減少
• みぞおちの痛みや胃の不快感
• 吐血や黒色便
• 食後の膨満感
※症状が出た時点で進行している可能性があります。

 

⑦ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)

ヘリコバクター・ピロリ菌(H. pylori)は、胃の中に住みつく細菌です。この菌に感染すると、慢性的な胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃癌のリスクが高まることが知られています。
日本では、最近では幼少時の親子感染が主ではないかと言われています。

 

H. pylori感染の治療について

H. pyloriに感染していてもはっきりとした症状がない場合がほとんどですが、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となり、胃がんの発生リスクが数倍に高まるとも言われています。そのため、H.pyloriに感染が確認されたら除菌療法を行うことが推奨されます。ただし、除菌療法は、内視鏡検査(胃カメラ)を行うことが必須になっています。
特に症状がなくても、近親者に胃癌の家族歴があったり、両親や兄弟姉妹にH.pyloriに感染が確認された場合は、内視鏡検査を強くお勧めします。


院長 佐藤 泰弘

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佐藤 泰弘

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